黒い服でワルツを

砂糖漬けの果物がこぼれて、

ただよう身体

わたしは現在特に子供を身ごもっていない。

だからわたしの身体はわたしだけのものだ。

まぶたに青いシャドウを乗せても、くちびるを真っ赤に色付けても、黒いワンピースを着ても、細いヒールの靴を履いても。

わたしはわたしを彩るときに、とても自由を感じる。

誰のためでも、何のためでもない。


めんどくさいことさえも受け入れてくれる人を愛する。

わたしのだめなところを厭わないでほしい。

いつかそういうことを許してくれるならわたしはきっとなんでも認めるんだろうな。


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誰のためでもない身体を持ちながら、誰かのものになってしまいたい矛盾を抱えて、わたしは今日も爪に色を塗る。

はやく攫ってくれ。


幾たびも掴み損ねた夕暮れの爪であなたの袖握る床